「芋の煮えたも御存じない」。世間知らずな人を嘲笑って言う慣用句だ。あまり気持ちのよいコトバではない。当然、使った覚えもないし、聞いた記憶もない。アーリーは、幼少期(たぶん幼稚園の年長時)に、イラスト入のいろはガルタでこの句を覚えた。それには「ゐものにえたもごぞんじない」と表記されていた。「いろは」でいう「うゐのおくやまけふこえて」の「ゐ」だ。対して通常の「い」は「いぬもあるけばぼうにあたる」であった。
「ゐ」という見慣れぬ文字の印象深さもさることながら、そのカルタには実にインパクトのある多色刷りのイラストが描かれていた。鍋でサトイモらしきものをごろごろと煮っころがしている絵柄である。 子供というもの、本来の大人の意図とは全然違うところに関心の重点を置くことが多々ある。僕の場合はこの句の意味より何より、鍋でイモがごろごろ煮っころがされる様子が鮮烈なイメージとして記憶の中に焼きついた。 そうして十数年が経ち、大人になってから、山形で開催される「日本一の芋煮会フェスティバル」というものを知った。その内容たるや、子供の頃から思い描いて止むことのなかった(ちょっと大げさ?)イメージをさらに大掛かりにしたものだった。その記事が今朝のYomiuri-OnLineに出ていたので少し引用したい。 「大鍋の芋煮3万5000食、山形のお袋の味に舌つづみ-(中略)-約3万5000人分を作るため、サトイモ3・5トン、牛肉1・3トン、こんにゃく4000枚など大量の山形産食材を用意。早朝から手分けして包丁を入れ、重さ3トンの大鍋に投入、3時間余かけてじっくりと煮込んだ。」 実に豪快だ。食欲をそそる。記事は僕の食欲にさらに追い討ちをかけるように続く。 「イモと肉の甘みがしょうゆの風味と絡み合った上々の仕上がりで、大鍋はわずか3時間ほどで空になった」 ちなみに1杯300円で売り出されたそうです。 山形に出張したことは何度かあるが、残念ながらまだこの祭典をまのあたりにしたことはない。すごく残念だ。 あぁ、もうダメ。フツウのサトイモの煮っころがしでもいい、誰か作ってくれぃ。食材費負担シマス(*’―’*) *右下図版はYomiuri-OnLine 2004/9/5より引用
by arly1970
| 2004-09-06 23:47
| グルメ・お酒
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